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ヤマハスピーカー今昔 [音楽制作]

またまたtamegorouさんの記事に触発されてしまった(汗)

平面(平板)スピーカーのお話なのだが、この平面スピーカー自体は結構大昔から存在する。形式としては静電型(コンデンサ型)とダイナミック型(電磁型)が主だが、中にはこんな変り種があった。

 

これは1960年代末頃だったと思うが、当時オーディオ業界に本格進出を企てたヤマハが、エレクトーンのスピーカー技術とピアノの響板にヒントを得て開発したNS(ナチュラルサウンド)スピーカーのユニットだ。

とにかくこのカタチがまず目を惹くと思うが、確かにグランドピアノを上から見た形に似ている。大きさは写真からは分からないだろうが、長辺は小型のものでも30cm以上はあったし、大型のものは1mを超えたような記憶がある。しかしこのスピーカーの最大の特徴はカタチではない。振動板がほぼ平面なのだ。さらに、その振動板の材質はナント、発泡スチロール! 魚屋さんに転がってるアレである。

この何とも形容しがたいユニットは「分割振動」の理論に基づき「非常にナチュラルなサウンドを生み出す」というのが当時の謳い文句だったのだが、果たしてそれがどの程度「ナチュラル」だったのか、当時の私の耳では分からなかった。ただ、このスピーカーが今はまったく影も形もなく、ただヤマハ製スピーカーの型番に「NS」が冠せられているのみであることを考えれば、押して知るべしだろう。ヤマハはこのスピーカーをギターアンプにまで搭載したが、何しろ振動板の質量が重いために応答の速い音が得られなかったこともあって、やがて楽器アンプからもこのタイプのスピーカーは姿を消した。

その後ヤマハは頑張ってしっかりオーディオメーカーとしての地位を築いたのはもちろんだが、特にAVシステムやプロ用(音楽制作用)スピーカーにその強みを発揮していることは周知の事実だろう。録音モニター用として圧倒的な信頼を受けたNS-10M Studioは、生産中止となった今も尚、世界中の録音スタジオで使われている。こちらは至ってオーソドックスな密閉型2wayの小型モニターで、実に味気ない音のするスピーカーとして名高い(汗)
だからこそモニター用として信頼されているのだろうが、さすがに低音も高音も現代の要求からするとレンジが狭いのが欠点だった。口径18cmのホワイトコーンウーファーは、実は原料の入手が困難(コスト高?)になったために製造を止める決断が出たらしい。ちなみにNS-10M Studio以外の「NS-10M ◎×」という名前の製品群は、白いコーン紙が似て非なるものだったと聞いている。

私はこのNS-10Mを仕事でさんざん使わせてもらったが、確かに楽しめない音だけれど、非常に信頼できる堅実な友人のような製品だった。ある程度のパワーを入れないとこの製品の真価は見えてこないので、サイズが小さな割に、家庭での使用は難しいスピーカーだと思う。中古で流通しているけれど、間違っても音楽を家で楽しむ目的でコレに手を出してはいけない。

NS-10Mの後継機として発表されたのが次の写真のMSP10 STUDIOだ。

口径20cmのウーファーを持つバスレフタイプのこのパワード(アンプ内蔵)スピーカーは、バイアンプ方式でパワーも充分、NS-10Mの後継機にふさわしい音を出してくれる。低音も高音もレンジが明らかに広くて、レスポンスも素晴らしい。だが、、、、、。

バスレフポートからの「空気砲」が凄くて目が乾くんです!!

という、私としてはとうてい我慢できない欠点があるのだった。
GENELECとツイーターがクリソツなのはガマンできるけど、、、。

MSP10 STUDIOは2本ペアで実売17~18万円するので、もう少し安いのが出ないかと思っていたら、つい最近こんなのが発表された。あまりにもNS-10Mを意識したデザインなのが気になるが、値段も安くて(定価で2本ペアが10万円を切る=1回で経費として落とせる)家庭用にもイイカンジかもしれない。

20cmホワイトコーンウーファーを搭載したMSPシリーズ同様バイアンプ方式のパワードモニターで、製品名は「HS80M」。13cmウーファーの弟分もあるので、ワンルームマンションの人などは弟分のHS50Mも選択肢になるだろう。音はまだ聴いていないので何とも言えないが、安いとはいってもこの手の製品で天下のヤマハが手を抜くとは考えにくい。スッキリしたデザインもNS-10M似であることが気にならなければむしろ好印象かもしれない。機会があれば是非試聴してみたい機種だ。結果次第では我が長野山奥スタジオのSONY SMS-2Pモニターの立場が危うくなるかも(汗)


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moonrabbit

また凄いスピーカーを持ってきましたね。(笑)さすがに知りませんでした。
NS-10M Studioはうちにも鎮座してますが、本当に味気はありません。気持ち中域が引っ込み気味なので、これでバランスを取ると他の機種ではやや豊かな厚みが感じられていい感じかな?なんて思ってます。
明らかに狙った新製品は、自分も試聴してみたいですね。買いませんが(笑)。
by moonrabbit (2005-09-14 09:59) 

smokineria

可もなく不可もないというのはYAMAHA全製品に言えるようですね。
楽器、特にピアノの材料は世界一の在庫を保有していると聞いています。
しかしギター製作の方法などが雑誌で紹介されていましたが、すべてコンピューターによる機械製作でした。画一化した正確な製品という意味では優れているのでしょうけれど、とあるプレイヤーは、「在庫の木材を諸外国メーカーに預けたほうがよい楽器が出来るんではないか?」と言っていました。
で、私はと申しますと、可もなく不可もないYAMAHAはきらいではありません。
音は人間が出すもので楽器が弾いてくれるわけではありませんから。
音の「くせ」は時として、じゃまにしかならないことがあります。
by smokineria (2005-09-14 11:21) 

Tad

> moonrabbitさん
コメントとnice!ありがとうございます。

あの平面スピーカーを見たことある人は40代後半以上の世代じゃないでしょうか(汗)

ちなみにこのスピーカーのエンクロージャーは珍しい「後面開放型」で、バッフル板は無いに等しい構造(スピーカー前面面積のほとんどをユニットが占領している)だったようです。

これを搭載したギターアンプは前後に薄い台形の壁のようなデザインでした。

NS-10Mは音量が小さいとかなりおとなしい音ですね。低音をどうやってきちんと出すか(あるいは出しすぎないか)で、置き方も結構シビアなものがありました。
by Tad (2005-09-14 12:54) 

tamegorou

Tad先生の記事、大変勉強になりました
平面スピーカーの歴史ってかなり古くからあったんですねー
NS-10M Studioは、まさにプロの道具といったことなんでしょうね
音は違いますが、 ヘッドホンで言ったら、SonyのMDR-CD900ST等も、
やはりプロの道具だと思います
これらを両方揃えているDTMの方は多いでしょうね
by tamegorou (2005-09-14 13:01) 

Tad

> フルアコさん
コメントと「ちょうど100個めのnice!」ありがとうございます(笑)

ヤマハ製品ってたぶん多くの方からフルアコさんのような受け止め方をされてるんじゃないかと思います。でも、私はちょっと違った印象なんですよ。たとえばピアノですが、今ではスタインウェイやベーゼンドルファーと同じような意味での「別の音色」としてヤマハピアノが認知されてます。記事冒頭のスピーカーも当時としては(今でも尚)超個性的な製品だと思います。

ギターはかつてのSGシリーズなどやはり一つの時代を作った製品もありますが、確かに現在のラインナップはあまりパッとしませんね。パシフィカシリーズなどはアメリカのクラフトマンと共同して頑張ったのですが、いかんせん、ロック系ギターのブームがしぼんでしまったせいもあって、あまり注目されてませんが、結構私は好きです。

シンセの世界ではスティーヴィー・ワンダーでお馴染みの超弩級GX-1などは「これ以上一体どうしろっちゅーねん?」的な個性派商品(値段も凄かった)だったし、ご存知DX7シリーズや「電気グランドピアノ」のCP-80系など、今でも「定番の音」として愛される音色を生み出してきてます。

世界でも有数の総合楽器メーカーとしては図体がデカイ分、普遍的な製品も量産しなければいけないでしょうが、その中でも常に革新的なコンセプトの楽器や個性的な音を追求していかなければ生き残れないワケで、その辺りなかなか大変だと思います。

ちなみにNS-10Mの音ですが、ある意味これほど個性的なスピーカーも少ないと思いますよ(逆説的かもしれませんが…)。オーラトーンの5Cに匹敵するか、それ以上のインパクトがあると思ってます。

実は私、今もオーラトーン5Cを持ってます(汗) 今度鳴らしてみようかな。
by Tad (2005-09-14 13:34) 

Tad

> tamegorouさん
101個目のnice!ありがとうございます。今度もまたネタを提供していただいて恐縮です(汗)

私の記憶ではこのヤマハの平面スピーカー以前から平面(平板)タイプのスピーカーはあったように思います。やはり位相特性他の面で魅力があるんでしょうね。

ヘッドフォンのMDR-CD900STは確かにスタジオの定番なんですが、実際の使われ方はミキシングエンジニアの検聴用というよりも、ミュージシャンが演奏するときのプレイバックモニターということが多いと思います。

私の使っているMDR-7506の方がたぶんモニター用途には適しているかもしれません。リスニング用としても「ダメダメ」じゃないかも(汗)
by Tad (2005-09-14 13:43) 

ゴロウ

はじめまして、ゴロウです

私はヤマハのスピーカー好きです
特に1974年11月発売のNS-1000Mはとても魅力的に感じます

当時の税別価格は119000円でしたが、この値段以上の魅力を感じる次第
です(笑い)
by ゴロウ (2005-09-14 14:15) 

Tad

> ゴロウさん

どうも、はじめまして&いらっしゃいませ!

私の仕事先の某音楽学校では、レクチャールームのAVシステム用スピーカーとしてNS-1000Mがまだ現役です(←物持ち良過ぎ!)

今で言うと感覚としては1本20万円~30万円というところでしょうか(汗)
ベリリウムという聞き慣れない希少金属の蒸着ドームツイーターとスコーカーを持った高級3wayスピーカーでしたが、おそらくヤマハにとって初めて世界にその技術を認められたスピーカーかもしれませんね。

私はやはり仕事でこのスピーカーが採用されたスタジオに出入りしてましたが、ときどきこの高価なツイーターが焼き切れて、エンジニアさんが蒼くなってたことを思い出します。見た目はかなりヘヴィデューティな印象ですが、音には繊細さがありました。当時主流だったJBLのスタジオモニターに比べると低音域がタイトでスケール感や力感はありませんでしたが、中高音域の美しさは勝っていたように思います。
by Tad (2005-09-14 16:37) 

kva

久しいな だから勝手に出来るだけ正直にいきます
YAMAHA いやです
が 楽器船舶洋弓家具なにをやっても数値的には一流に近い管理技術を維持していると思います
NS(ナチュラル・サウンド)スピーカーのユニットのでかいやつ何故か知っています 平面ばっふるを見直した逸品でした 不思議な想いで最初狐に抓まれたようで 俺は何にも知っちゃ居なかったんだと恥ずかしい思いをしました が結局商品化された物というのは選ぶか選ばないかだけの話で 企業の代理戦争をファンがする義理はなくていいのです 自分のセンス自慢みたいでそれでいい その中から参考になる事を人は盗んでいけばいい 
個人的にはdiatone P-610シリーズオンリーで卒業しました
当然バックロードホーンの時代でしたよ なにしろ安価これが前提でしたもの 一発¥2500前後 それで幅650×高さ880×奥行445mm重量 45kgくらいな物を 男なら誰もが作った(ごめんこれはオーバー)
70年代興隆してきたPA屋さんに当時の悪友が入り込んだせいで特注でキャロルのPAや売れっ子 井上陽水のモニタースピーカーの試作を手間賃だけで作らされました 最初はモニタースピーカーの意味がわかりませんでした 成程ステージの上で本番中に自分の音すら聴こえないあれを補佐するものかと一挙にノウハウを学んでいった時代でも在りました それで今はそのような経験を生かした技術で食っているのかと思えば 以前は音楽馬鹿は電気とか弱かったけれど今ではミュージシャンじゃないよお宅だよってくらい余計なこと知ってる児ばかりだから もうやめた
とことん人力飛行手作り派だよなぁ
by kva (2005-09-15 13:18) 

Tad

> アンチ・ヤマハのkvaさん
いらっしゃいませェ。

何事にも一家言あるような方はたいてい「ヤマハ嫌い!」です(汗)

ダイヤトーンの16cmシングルコーンフルレンジスピーカーは往年の日本オーディオ界の標準原器みたいなものでしょうね。しかしそいつをバックロードホーンに組んでしまうというのは初めて聞きました(驚)

バックロードホーンのスピーカーといえばフォステクス(昔のフォスター電気)かコーラル辺りのダブルコーンスピーカーがイメージされます。私もFE-133で自作しました。長岡鉄男さんが大活躍されていた時代ですね。

> 音楽馬鹿は電気とか弱かったけれど今ではミュージシャンじゃないよ
> お宅だよってくらい余計なこと知ってる児ばかりだから

すみません、余計な知恵付けてる中の一人は私です(爆)
でも相変わらずギター弾きやドラマーなんかは概して電気に弱いですよ(汗)
by Tad (2005-09-15 20:14) 

Tad

ちなみに、こんなサイトがありました。

http://www.niji.or.jp/home/k-nisi/speaker.html
by Tad (2005-09-15 20:17) 

グワンジ

はじめまして、グワンジです。
googleで平面スピーカーを検索していたらここにきました。
なかなか、ためになるhpです。
興味深く読ませていただいています。

先週、ヤフーオークションでヤマハNSー15を入手しました。
鳴らしてみると震動板が大きいせいか臨場感があります。
でも、洗濯板のうちわで扇いでいるような変な感じです。

もともとヤマハの平面スピーカーの思い出は、高校のときジャズバンドでベースをしていて、
学園祭のステージで借りたのがヤマハの平面スピーカーのはいったギターアンプでした。
当時はギターアンプは真空管がほとんどで、トランジスターでほっそりとした外見のヤマハの
ギターアンプ、ベースギターをつないだらソリッドなわたし好みの音で鳴っていました。

風変わりな音がするスピーカーなので、
これで音楽を聞くというよりは、楽器として音を鳴らすのにいいと思いました。

http://guwanzi.exblog.jp/
by グワンジ (2005-11-01 23:17) 

Tad

> グワンジさん
はじめまして。ご訪問&コメントありがとうございます。

ヤマハ平板スピーカーの現物をお持ちとは!!!!
驚きました。
あの台形のギターアンプの姿は記憶にありますが、その当時はギターやベースの音色までには関心がなかったので、どんな音色だったかまでは覚えていません。ただ、おおむねギタリスト連中には不評だったような、、、(汗)

確かに元々がエレクトーン用のスピーカーですから、楽器用としてもっと煮詰めていれば、今でも生き残っていたかもしれませんね。
by Tad (2005-11-02 10:16) 

kazu

はじめまして
10モニ持ってます。約20年前に製造されたもの。
ウーハーとネットワークは交換・改造済み。
進化させるのも悪くないかと・・・。
by kazu (2006-10-29 20:46) 

ゴン

10Mって、いくら位の値が付いているのかと思って徘徊してたら、ここにたどり着きました。(全然使ってないので売ろうかな、と思って)

ちょうど30年前に購入しました。1オーナーです。
高校生の頃、苦労して入手したことを思い出しました。

売るのヤンペしました。
by ゴン (2006-11-19 18:02) 

アナログ爺

はじめまして
ヤマハの平板スピーカ今も現役で使っています
NS-570(1972年頃)の製品2WAYでウーファーはJA-3504B、ツィーターはJA-0506Bが付いています
PAは300Bシングルで鳴らしていますが今もこの音が
気に入っています。
by アナログ爺 (2007-11-26 19:17) 

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ピエガ2.5ウェイシステムコラムスピーカー(ペア)TWEN(ペア)(スピーカーとスタンドとケーブル 2007-05-22 14:57)

スイスの著名な建築家兼デザイナー、HannesWettstein(ハンネス・ヴェットシュタイン)のアイデアスケッチから生まれた、美しい筐体を合わせ持つアニバーサリーモデル 価格: ¥ 331,900, いいなショッピングモール ROCKRIDGESOUND iPod ドッキングスピーカー…[続く]

ふらっとなスピーカー(soundrabbitの無駄話 2005-09-15 09:36)

フラットなスピーカーの話題があっちこっちで盛り上がっている中、パイオニアも出しましたね。でもこれはイベント用。 S-FL1 確かに背面の音も利用するという考えは面白いですよね。エキサイターと呼ばれる特殊なドライバーユニットを4基使用といいますから、大体の構造は理解できますが・・・240W…[続く]

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